田川寿美全曲集 冬の日本海

田川寿美 田川寿美全曲集 冬の日本海歌詞
1.冬の日本海

作詞:悠木圭子
作曲:鈴木淳

北の海は荒れて波の 飛沫(しぶき)が頬を打つ
海岸線の灯りが揺れて 貴方の面影消えてゆく
はぐれ鴎が一羽 ねぐらを見つけたの
私にはもう待つ人も ぬくもりも胸もない
涙みちづれ 想い出抱いて 冬の日本海

夜明け間近か風雪(かぜ)が哭(な)いて 心に凍(し)みて来る
愚かでしょうか ふるえる胸が 来ない貴方を待ってます
津軽の海を越えて 離れて来たけれど
恋しさがつのるばかりで 逢いたくて泣けてくる
涙みちづれ 想い出抱いて 冬の日本海

凍りついた指で書いた 最後の手紙です
こんなにつらい胸の痛みを あなた分かってくれますか
涙で滲んだ文字は 心の乱れです
もう二度と逢えない人と 知りながら未練です
涙みちづれ 想い出抱いて 冬の日本海
冬の日本海


2.あなたひとり

作詞:悠木圭子
作曲:鈴木淳

*風が泣くから 海まで吠える 私の心も 砕け散る
あなたひとりに すべてを捧げ 愛し続けていたかった
二人一つの 契りさえ みんな幻影 夢ですが 生きて
貴方と この世では 逢えぬ 運命の 二人でしょうか

*夢を見ました 女の夢を 貴方のやさしさに 泣きました
ひとりぼっちの 私の胸に 愛のぬくもり くれた人
忘れられずに 追いかけて 流れ流され 北の果て いのち
明日へ つないでも 私に 春は 来るのでしょうか

*二人一つの 契りさえ みんな幻影 夢ですが 生きて
貴方と この世では 逢えぬ 運命の 二人でしょうか


3.北の港駅

作詞:悠木圭子
作曲:鈴木淳

好きだから離れても 必ず帰るよと
ふるえる私を 抱きしめた
何もかも捨てゝ貴方の後から追いかけて
行けばよかった 最終列車
涙まじりの 雪が舞う

恋しくて今日も又 貴方の夢を見て
あふれる涙で 夜が明ける
傍にいるようで貴方のぬくもり探してる
肌を刺すように吹雪が鳴いて
凍りつきます 北国の冬

馬鹿ですか 馬鹿ですね 貴方を待っている
しんしん降る雪 北の駅
忘れられないの 貴方と過ごした愛の日を
固い契りで 結ばれたのに
二度と逢う日は ないのでしょうか


4.愛情行進曲

作詞:松井由利夫
作曲:マーク・HAMA

広い世界で わたしだけ
あまえて「あなた」と 呼べるのは
あなたの あの字は 愛の花
あなたの なの字は 涙なの
あなたの たの字は たからもの
いゃあーん だめ…
幸福(しあわせ)すぎると 泣けちゃうの

今日が良ければ 明日も良(い)い
あなたと わたしの 合い言葉
あなたの あの字は ありがとう
あなたの なの字は 泣き笑い
あなたの たの字は 竹とんぼ
いゃあーん だめ…
二人で飛びたい あの空へ

爪の先まで あふれてる
あなたのやさしさ あたたかさ
あなたの あの字は 青い海
あなたの なの字は 波の唄
あなたの たの字は 玉手箱
いゃあーん だめ…
のぞいて見ないで 夢しずく
夢しずく


5.花になれ -うめ さくら あやめ あじさい ひがんばな-

作詞:阿久悠
作曲:堀内孝雄

夢見て生きた はたちのように
わたしは花だと いわれたい
時代の風に さらされながら
心もカサカサ 乾きがち

流されて 流されて
生かされて 生かされて
うめ さくら あやめ あじさい ひがんばな
好きな季節に ああ 花になれ

死ぬほどひとを 愛したからは
人肌匂わせ 光りたい
純情ぶりを おとなにかえて
愛しさ抱きしめ 歩きたい

散らされて 散らされて
忘れられ 忘れられ
うめ さくら あやめ あじさい ひがんばな
好きな季節に ああ 花になれ

芽をふいて 芽をふいて
愛されて 愛されて
うめ さくら あやめ あじさい ひがんばな
好きな季節に ああ 花になれ


6.華観月

(はなみづき)
作詞:たきのえいじ
作曲:鈴木淳

水の鏡を 朱に染める
沈む夕陽の 紅い帯
燃える心が あなたに走る
おもいでばかり 巻きつけて
咲かせて 咲かせて そばにきて
思い届ける 術もない
咲かせて 咲かせて 胸が泣く
あなた 恋しい 華観月

せめてひと言 耳元で
好きと云わせて くれますか
雲の切れ間を 横切る月を
くちびる噛んで みるばかり
焦がれて 焦がれて 待ちわびて
耐えることだけ 上手くなる
焦がれて 焦がれて 淋しくて
窓をあければ 華観月

咲かせて 咲かせて そばにきて
思い届ける 術もない
咲かせて 咲かせて 胸が泣く
あなた 恋しい 華観月


7.しゃくなげの雨

作詞:水木れいじ
作曲:徳久広司

北鎌倉の 改札出たら
心の整理 つきました
しあわせ芝居 永すぎた春
縁切寺へ 納めます

おもえばつらい 恋でした
ただ泣くだけの 恋でした
雨雨 しゃくなげの雨
もうこれ以上は 待てません
雨雨 しゃくなげの雨
私もやっぱり 女です

指輪ひとつで 三年過ぎて
お酒の味も 知りました
綺麗になったと 他人は言うけど
悩んで痩せた だけでした
哀しい意地も はりました
淋しい嘘も つきました
雨雨 しゃくなげの雨
すべてを流して くれますか
雨雨 しゃくなげの雨
私もやっぱり 女です

おもえばつらい 恋でした
ただ泣くだけの 恋でした
雨雨 しゃくなげの雨
もうこれ以上は 待てません
雨雨 しゃくなげの雨
私もやっぱり 女です


8.雪が降る

作詞:たかたかし
作曲:徳久広司

夏に旅した 海の町
今日はひとりの 尋ね人
愛されたいと 念(ねが)うのに
涙でひとり 残される
あゝ雪が降る あゝ音もなく
白い白い悲しみが…
降っても降っても
積もりきれない 海に降る雪

人の心を 思いやれ
言って叱った 悲しい目
あなたのことば 考えて
真冬の海を 眺めてる
あゝ誰かいて あゝそばにいて
胸が胸が凍えます…
降っても降っても
積もりきれない 海に降る雪

あゝ雪が降る あゝ音もなく
白い白い悲しみが…
降っても降っても
積もりきれない 海に降る雪
海に降る雪


9.女…ひとり旅

作詞:悠木圭子
作曲:鈴木淳

北のはずれのこの町へ
いつかふたりで行こうと
旅行ガイドの写真見ながら
肩に甘えたあの頃
凍る夜汽車の窓から
白い吹雪が目に沁む
ああ… 楽しかった思い出
ああ… 今も胸に消えない
未練心を捨てる季節はずれの
女ひとりの旅です

途中下車したこの駅も
あの日の本に出てます
待合室のストーブの火が
真っ赤に燃えてせつない
ああ… 寒い心乱れて
ああ… 恋しさだけがつのる
あなた求める心 叱りながらの
女ひとりの旅です

あなたどうしていますか
遠く離れて偲べば
ああ… 寒い心乱れて
ああ… 恋しさだけがつのる
あなた求める心叱りながらの
女ひとりの旅です


10.哀愁港

作詞:悠木圭子
作曲:鈴木淳

思い出すまい二度と 心に決めて
遠く離れた 筈なのに
女ひとりの 哀しさを
こらえ切れずに 泣けて来る
夜の波止場の 冷たい風が
凍りつくよに 胸を刺す

俺と一緒じゃ いつか 不幸になると
すがる私に 背を向けた
今も心に 棲みついて
暗い波間に 面影が
消えて浮かんで 又消えてゆく
未練せつなく 燃え残る

恋のぬけがら何処へ 捨てればいいの
あなたにあげた この命
生まれ変わって もう一度
めぐり逢えたら その時は
痩せた分だけ 愛して欲しい
夢もはかなく 波に散る


11.雨の連絡船

作詞:さいとう大三
作曲:四方章人

二日遅れて 船に乗る
思い切れない この心
たった一夜の 恋なのに
ひとり ひとり
あなたを追いかける
あぁ 連絡船に雨がふる

知っちゃいけない その名前
持ったカバンに ありました
何も聞かない 恋なのに
泣いて 泣いて
あなたに会いに行く
あぁ 連絡船は雨の中

船の小窓に 町明かり
ひとつふたつと 見えてくる
ひとり夢みた 恋なのに
きっと きっと
あなたをつかまえる
あぁ 連絡船に雨がふる


12.おきゃん

作詞:吉田旺
作曲:鈴木淳

仕立ておろしの花浴衣
見せたいあいつは 鉄砲玉
ドンと尺玉ドンとドンとドンと
祭り花火は燥ぐけど 待ち呆け
おきゃんの濡れまつげ(アチョイと)
からかわないでよ エゝエ…エ お月さま
だってあたしも だってあたしも お年頃 ハイ お年頃

浮かれチャンチキ 聴かせたら
あいつの心は うわの空
ソイヤ ソイヤ ソイヤ ソイヤ ソイヤ ソイヤ
神輿追っかけ西東(にしひがし)
あたしのことなど そっちのけ(アチョイと)
ひょっとこ面して エゝエ…エ 何処へやら
あいついなせな あいついなせな
阿呆鳥(あほうどり) ハイ 阿呆鳥(あほうどり)

待てど暮らせど 来ない彼
怨めば涕けます 隅田河岸
ポンとラムネを ポンとポンとポンと
抜けば泡だつ恋心
どうすりゃいいのよ この気持(アチョイと)
言問橋(ことといばし)から エゝエ…エ 飛ばそうか
だっておきゃんも だっておきゃんも お年頃 ハイ お年頃


13.ここは港町

作詞:池田充男
作曲:伊藤雪彦

裾をはねあげて
傘をなげすてて
いのちの限り
波止場へ走る
白い 白い 雪が舞う
船が 船が うごきだす
情なし鴎 もどってきてよ
わたしをどうするの…
あなた浪(なみ)のうえ
ここは港町

船の灯りさえ
赤い点になる
まぶたのなかで
ふくらむ未練
ヒュルル ヒュルル 風が泣く
胸が 胸が すすり哭(な)く
わたしの敗けね 惚れたらだめね
許して待つだけね…
あなた いつ帰る
ここは港町

恋のほつれ毛を
せめて身がわりに
ひとすじ切って
渡したかった
誰か 誰か 届けてよ
寒い 寒い 日が暮れる
ゆうべのお酒 あの約束は
嘘なの 本気なの…
あなた海峡へ
ここは港町


14.雑草の泪

(なみだ)
作詞:五木寛之
作曲:幸耕平

道に咲いてる 名もない花にも
きっと 名前も 大事な夢もある
こんな切ない 世の中だけど
わたしは 泣きません
人はそれぞれ 涙の河を
明日を信じて 越えてゆく

恋をして ころんでも
きれいな笑顔で 心の花を
咲かせてみせます もう一度

雨に濡れてる 小さな草にも
口に出せない こころの傷がある
ひとりぼっちは 淋しいけれど
わたしは 泣きません
人はそれぞれ 涙の河を
小舟のように 揺れてゆく

恋なんて なくしても
元気な笑顔で 大きな愛を
咲かせてみせます もう一度

恋をして ころんでも
きれいな笑顔で 心の花を
咲かせてみせます もう一度


15.みれん海峡

作詞:悠木圭子
作曲:鈴木淳

行かないで… 行かないで
一人じゃ生きては いけないわ
こんなか細い肩だから
倖せあげると 抱きしめたのに
風よ… 海よ… 嵐を呼んで
あの人 乗せた 船を帰してよ

あの日から… あの日から
あなたに預けた 命です
船が小さく消えて行く
誰をうらんで 泣いてる汽笛
空よ… 雲よ… 嵐を呼んで
あの人 乗せた 船を帰してよ

叫んでも… 叫んでも
想いははかなく 砕け散る
羽を失くした 海鳥は
闇にふるえて ただ泣きじゃくる
風よ… 海よ… 嵐を呼んで
あの人 乗せた 船を帰してよ


16.女人高野

(にょにんこうや)
作詞:五木寛之
作曲:幸耕平

ひとりで行かせて この奥山は
女人高野(にょにんこうや)と 申します
愛も 明日も あきらめて
涙 おさめに まいります

通りゃんせ 通りゃんせ
ここは どこの 細道じゃ
若い命を 惜しむよに
花が散ります はらはらと

燃えて咲くなら それでいい
枯れて散るなら それもいい
ここは室生寺(むろうじ) 鐘の音 ああ

恋しくて 切なくて
女人高野の 風に泣く

その手をはなして ここから先は
女人高野の おんな道
夢も みれんも ふり捨てて
命 洗いに まいります

通りゃんせ 通りゃんせ
行きは よいよい 帰りはこわい
迷うわたしを 招くよに
灯り揺れます ゆらゆらと

春に出会えりゃ それでいい
冬に別れりゃ それもいい
ここは室生寺 鎧坂 ああ

逢いたくて 苦しくて
女人高野の 夜に泣く

燃えて咲くなら それでいい
枯れて散るなら それもいい
ここは室生寺 鐘の音 ああ

恋しくて 切なくて
女人高野の 風に泣く